おだやかな日常 別館

ウィリアム・ブレイクとアーティスト達

国立西洋美術館で開催されている「ウィリアム・ブレイク版画展」に行って来ました。
「プラド美術館所蔵 ゴヤ 光と影」も開催中。
ゴヤのほうがメイン開催。

プラド美術館所蔵 ゴヤ 光と影

プラド美術館所蔵 ゴヤ 光と影

こちらの観覧料金1,500円払うと、常設展のウィリアム・ブレイク(観覧料金420円)も一緒に見れるとのことで、
ゴヤの方は気が向いたら見ようと思ってましたが、せっかくなので一緒にみてきました。

近代英国の代表的画家、詩人として知られるウィリアム・ブレイク(1757-1827年)は、銅版画家としても多数の作品を残しています。独特のインスピレーションに基づき、幻想的かつ象徴的な世界を構築する彼の版画は、英国ロマン主義を先駆けるものでした。今日に至っても、それらの作品は見る者を魅了してやみません。

この人、詩人としてしか知りませんでした。
実は画家、銅版画家としての稼ぎで生計を立てていたようです。
展示は、旧約聖書『ヨブ記』やダンテの『神曲』のための挿絵などが中心。
本人の詩とかは無い。

《ベヘモトとレヴィアタン》 『ヨブ記』のための挿絵より 1825年

《ベヘモトとレヴィアタン》 『ヨブ記』のための挿絵より 1825年

当時の表現としては異色であり、その評価は本人の死後に高くなったとの事です。

この日は平日ということもあり、観覧者はまばら。ゆっくりと鑑賞できました。
また、常設展では他に油彩の絵もたくさん展示してあり、オススメです。

ウィリアム・ブレイクは、後の数多くの作家、アーティストが影響を受けていることでも
有名です。
有島武郎、柳宗悦ら白樺派の作家達の傾倒は、先日白樺文学館を訪れたときに
知りました。(2011サイクリング 手賀沼探訪

また、ミュージシャンでは、ドアーズのバンド名がブレイクから由来していることは
有名ですね。
他にもELPやブルース・ディッキンソン、パティ・スミスなどがアルバム、コンサートなどで表現をしています。

とりわけ多くのアルバム等でブレイクの影響が見られるのがドイツのプログレッシブロックバンドのタンジェリン・ドリーム(Tangerine Dream 以下TD)です。
1987年のアルバム「Tyger」は、ブレイクの詩集『無垢と経験のうた』に収められた詩のタイトルでもあります。
同アルバム中には他に「London」、「Smile」がやはりブレイクの詩集より引用されています。

Tyger / Tangerine Dream 

Tyger / Tangerine Dream 

 http://youtu.be/dKBoxlmjsQU

同アルバムはTDのファンからは「問題作」とされているようですが、ファンの一人でもある私としては、大好きなアルバムでもあり、名作だと思っています。

他にもこの詩は多くのミュージシャンが取り入れています。
Toyahの1980年のアルバム「The Blue Meaning」に「TIGER! TIGER!」があります。
この人、Toyah Willcoxという人は日本ではKing Crimsonのギター、Robert Frippの奥様として有名ですが、
本国イギリスでは女優、タレント、映像ディレクターなど幅広く活躍しているそうです。

The Blue Meaning / Toyah

The Blue Meaning / Toyah

ゴヤです。
こちらはあまり興味がなく、ザッとまわるだけにしようと思っていたのですが、
以外に良かったです。
特に、銅版画集「ロス・カプリーチョス」、「戦争の惨禍」はブレイクの銅版画と対照的で
興味深いものがありました。
また、素描帖よりの多くの作品もよく表現されています。
ブレイクのほうの常設展は、出るときに気が付いたのですが写真撮影もOKらしいので、
また期間中にカメラを持って行きたいと思っています。

ウィリアム・ブレイク版画展
会期:
2011年10月22日(土)~2012年1月29日(日)
会場:
国立西洋美術館 版画素描展示室

プラド美術館所蔵 ゴヤ 光と影
会期:
2011年10月22日(土)~2012年1月29日(日)
会場:
国立西洋美術館

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